運動器が障害されると、立って歩く、など自ら移動することが困難になります。すべての世代が自分らしい生活を維持し、健康長寿を享受するために運動器の機能を健全に保っていくことはたいへん重要と言えます。
超高齢社会の現在、典型的な高齢者の骨折で、寝たきりの大きな要因とされる大腿骨近位部骨折は、わが国において1997年の9万例から2020年には25万例に増加するとも推定されています。下肢関節障害に対する人工関節手術も年々増加しています。また、小児を含め若年世代が健康を維持することは、将来にわたって健全な社会を支えるという観点からも極めて重要です。
本学は、明治初期に府民の協力のもと一流の医療を提供することを目的として設置された伝統を今日まで受け継ぎ、「世界トップレベルの医療を地域へ」の理念を実践しています。当科でも、患者さんの満足を第一に、すべての世代の運動器の健康維持に貢献できるよう、関節疾患(股、膝、肩など)、足の障害、スポーツ障害・外傷、骨・軟部腫瘍、関節リウマチ、手・末梢神経障害、脊椎・脊髄疾患、小児疾患など整形外科各分野で一流の診療体制を整え、さらに発展させていきます。