専門クリニックのご案内

膝関節クリニック

はじめに

膝には衝撃吸収の役割を果たす「半月板」と関節表面を覆う「関節軟骨」があり、加齢に伴い変性(質が悪くなること)します。膝関節クリニックは、変性によっておこった変形性膝関節症や半月板損傷を担当します。スポーツによる膝関節のけがなどはスポーツクリニックの項目をご覧ください。

代表的疾患

半月板損傷

半月板は変性することで、少しの外力でも損傷しやすくなります。損傷した半月板は膝の曲げ伸ばしの際に痛みやひっかかりをおこし、ひどい場合には半月板の一部が挟まりこんだ状態(ロッキング)になり動けなくなることがあります。(図1)


(図1)

関節鏡(図2)を用いて損傷の部位や状態に応じて半月板部分切除術または半月板縫合術を行います。わずかな切開で手術できるため、痛みが少なく早期からのリハビリテーションが可能です。(図3)

(図2)

(図3)

変形性関節症

関節軟骨の変性や摩耗した状態を変形性関節症と呼び、動作時の痛みや関節が硬くなったりします。とくにO脚の人は常に膝の内側に体重負荷がかかるため、おこりやすいといわれています。

お薬やリハビリテーション、サポーターや足底板などの治療があります。お薬には、消炎鎮痛剤の内服・外用やヒアルロン酸の関節注射があります。リハビリテーションでは大腿四頭筋(太ももの表の筋肉)の筋力を強くします。またO脚による荷重軸のずれを矯正するために、足底板やサポーターを使用します。それでも症状が改善しない方には手術を行います。代表的な手術として、人工膝関節全置換術(図4~6)、高位脛骨骨切り術(図7)が挙げられます。患者さんの年齢や活動性、日常生活の障害程度に合わせて最適な手術の方法を選んでいます。 変形の強い方には最新の術式であるハイブリッド式高位脛骨骨切り術も行っています(図8)。


(図4)


(図5)


(図6)



(図7)


(図8)

特発性膝骨壊死

前触れなく、突然強い痛みが膝に起きる病気です。病気の原因ははっきりしておらず、局所的に血液の流れが悪くなる説や、骨質の低下によって骨折が生じている説がいわれています。大腿骨の体重がかかる部分に生じることが多く、早期であれば松葉杖などを使用した負担軽減で治ることもあります。進行すると変形性関節症と似た状態になり、人工関節置換術が必要となることがあります。膝関節の内側のみの異常であれば、内側のみの人工関節(人工膝関節単顆置換術)で対処可能です(図9)。


(図9)