核磁気共鳴(nuclear magnetic resonance:NMR)とは、スピンする原子核を静磁場の中に入れ、特定の周波数の電磁波を与えると共鳴する現象です。これを応用した画像診断技術がMRI(magnetic resonance imaging)です。運動器疾患の診断に、いまやMRIは欠かせないものとなっています。X線を用いた画像(単純X線像やCT画像)では描出困難な筋肉、腱、靭帯、神経、脊髄、軟骨といった軟部組織も、MRIを用いることで直接的に評価することができます。
近年、MRIはさまざまな新しい撮像法が開発されています。また造影剤の使用や、撮像条件の最適化で、より質の高い画像を得ることが可能になりました。われわれはMRIを用いた新たな撮像法の開発、精度の高い評価法の確立、さまざまな疾患の病態解明をめざして研究を行っています。現在7.04Tの動物用横置き型高磁場MRI装置を用いて、動物実験を行っています。