関連病院紹介

京都中部総合医療センター

病院の紹介

京都中部総合医療センターは昭和11年に南丹病院として病床数30床、9つの診療科、医師8名で病院業務を開始しました。昭和26年に国民健康保険南丹病院組合による公立南丹病院となり、その後増床改築をすすめて平成元年に旧棟は現在の形となり、一般病床332床、結核病床28床、伝染病床15床になりました。平成15年には新病棟(第2病棟)が完成し、おそらく日本で唯一であろうJR山陰本線と国道9号線をまたぐ長い連絡橋で旧棟と第2病棟がつながれた病院となりました(病床数は一般450床、結核10床、感染症4床)。さらに平成29年には名称を京都中部総合医療センターと改称し、地域の中核病院として頑張っています。またこれから数年後には第2病棟の隣に新たに新棟を建築し、全てこちら側に移転する予定となっています(名物の連絡橋は無くなってしまいますが)。

整形外科の特色

京都中部総合医療センター整形外科の特色としては地域柄から基礎疾患を有する高齢者の骨折手術が多いことがまず上げられます。このような全身管理が重要となる外傷や救急の症例に対して若手の先生と一緒に可能な限り受け入れるように皆で頑張っています。

またなんと言っても当院で一番の特徴は脊椎・脊髄病疾患治療センターがあることでしょう。毎週3〜4例の脊椎手術(固定術が9割方を占める)をしており、府県境を跨いで北は福井県の小浜方面から、西は兵庫県の丹波篠山方面からも患者さんが来院されています。

関節分野では人工関節手術を多く施行しており、2022年10月には手術ロボットを導入しさらなる発展を目指しています。小児整形やスポーツ外傷にも積極的に取り組んでおり、乳幼児検診の依頼が多く、また大学と連携して各地の学校へ出向いて野球肘などのスポーツ検診も行っています。

診療・指導体制

小倉 卓
役職 付属看護専門学校校長
卒年、卒業大学 昭和59年関西医科大学卒
専門領域 脊椎脊髄外科
資格 脊椎脊髄外科専門医
整形外科学会専門医・指導医
リハビリテーション科専門医・指導医
藤原 靖大
役職 整形外科部長
卒年、卒業大学 平成1年京都府立医科大学卒
専門領域 リウマチ、人工関節
資格 整形外科学会専門医・指導医
リウマチ学会専門医・指導医
リハビリテーション医学会専門医・指導医
趣味、特技 最近は山登り頑張ってます
林田 達郎
役職 リハビリテーション科部長・脊椎脊髄病センター長
卒年、卒業大学 平成5年奈良県立医科大学卒
専門領域 脊椎脊髄外科
資格 整形外科学会専門医・指導医
脊椎脊髄病学会指導医
整形外科学会認定脊椎脊髄病医
リハビリテーション医学会専門医・指導医
日本臨床神経生理学会専門医
趣味、特技 筋トレ
琴浦 義浩
役職 整形外科部長
卒年、卒業大学 平成16年京都府立医科大学卒
専門領域 小児、スポーツ整形外科
小児整形外科,スポーツ医学を専門にしています。赤ちゃんの健診後の二次検診,股関節脱臼,内反足,斜頚,脳性麻痺など小児整形外科領域の診療を行う一方で,毎年この地域で,少年野球選手の肘検診を中心としたフィールドワークを行い,子供から大人までスポーツ障害,外傷の診療を行っています。外来では診断から治療までエコーを積極的に活用し,体外衝撃波治療など低侵襲で行える治療を取り入れています。手術は主に関節鏡による低侵襲手術を行っています(肩肘膝足関節)。また肩,肘関節については腱板断裂手術などの慢性疾患に対する手術もしており,適応症例にはリバース型人工肩関節置換術も行っています。
資格 整形外科学会専門医・指導医
小児運動器疾患指導管理医
日本スポーツ協会公認スポーツドクター
乳児検診後の股関節検診かかりつけ施設資格
日本運動器SHOCK WAVE研究会認定
リバース型人工肩関節置換術認定医
趣味、特技 ロードバイク歴は10年以上,近年はトレイルランニングも楽しんでいます
大友 彩加
役職 整形外科医員
卒年、卒業大学 平成28年近畿大学医学部卒
専門領域 一般整形外科
資格 日本整形外科学会専門医
夏井 純平
役職 整形外科医員
卒年、卒業大学 平成30年徳島大学医学部卒
専門領域 一般整形外科、外傷
趣味、特技 スポーツ観戦 旅行
梅田 浩市
役職 整形外科医員
卒年、卒業大学 平成31年京都府立医科大学卒
専門領域 脊椎に興味があります
趣味、特技 脊椎手術
四方 巽
役職 整形外科医員
卒年、卒業大学 令和2年京都府立医科大学卒
専門領域 一般整形外科
趣味、特技 ランニング
診療・指導体制の概要

当院の診療体制は外来はすべて予約制となっており、新患一般外来1回と専門予約外来1回の週2回の外来を担当しています。しかし全て予約制とは言っても予約外で受診される患者様もあり、このような場合でも可能な限り対応するように心がけています。

手術は月曜日から金曜日まで毎日が手術可能です。外来担当日の関係から月・木・金曜日が脊椎手術の予定日となっており、月・火・水曜日に外傷・関節手術が行われています。

カンファレンスは毎週火曜日と金曜日の8時頃から症例検討会と医局会をしています。今まで水曜日の夕方には病棟の総回診を行っていましたが、新型コロナ感染対策として現在は中止しています。

当直は内科系および外科系に分かれて2人体制で行い、整形外科は外科系当直を担当して月に平日1〜2回、休日1回程度回ってきます。整形外科医が当直以外の日には各自分担してオンコール担当医を決めてし、病院へ駆けつけるようにしています。

学会参加は上限内で参加費や宿泊費の補助が出ます。発表があればその上限を超えて補助が出ますので積極的に学会への参加を促し、最新の知識を学び日々の診療に役立てるようにしています。

当科の主な手術内容(特色)と件数

2021年9月〜2022年8月の1年間の手術のうち

  1. 外傷骨折手術 220例
  2. 脊椎手術 134例
  3. 人工関節手術 49例(THA27例 TKA15例 TSA7例)

主な業績

論文
  1. 小倉 卓.腰椎低侵襲椎弓形成術後の再手術例の病態と治療成績-過去10年を振り返って-.日整会誌 2019;93:S117.
  2. 小倉 卓,林田達郎.腰痛変性すべり症に対するXLIFとmini-open TLIFの術後成績の比較検討.日整会誌 2018;92:S1217.
  3. 琴浦義浩.少年野球選手の上腕骨内側上顆障害 経年変化と予後因子について.日小児整外会誌 2021;30:1-4.
  4. 琴浦義浩.少年野球肩肘障害に対する予防策の検討 短期的検討.日本小児整形外科学会雑誌 2019;28:116-120.
  5. 琴浦義浩.【運動器領域の超音波検査】スポーツ障害 膝関節.メディカルテクノロジー別冊超音波エキスパート 2019;19:70-83.
発表
  1. 小倉 卓.腰椎低侵襲椎弓形成術後の再手術例の病態と治療成績-過去10年を振り返って-.第48回日本脊椎脊髄病学会学術集会(横浜) 2019.4.19.
  2. 林田達郎.骨粗鬆症性椎体骨折の最小侵襲脊椎安定術におけるコンピューター支援脊椎ロッドペンディングシステムの検討.第55回日本リハビリテーション医学会学術集会(福岡) 2018.6.29.
  3. 小倉 卓,林田達郎.腰椎低侵襲椎弓形成術後の再手術例の実態と治療成績.第57回日本リハビリテーション医学会学術集会(京都) 2020.8.20.
  4. 琴浦義浩.野球検診の現場と課題 –京都編-.第32回日本小児整形外科学会学術集会 2021.12.2〜3.
  5. 琴浦義浩.成長期野球選手における上腕骨内側上顆障害の経時的変化.第31回日本小児整形外科学会学術集会(Web開催) 2020.12.3-21.
  6. 琴浦義浩.少年野球選手の肘障害に男女差はあるのか?.第33回日本肘関節学会学術集会 2021.2.12-13.
  7. 梅田浩市.胸椎後方除圧術後に固定術を要した軟骨無形性症に伴う脊柱管狭窄症の1例.第137回中部日本整形外科災害外科学会・学術集会 2021.10.8.
  8. Kotoura Y.Prevention of the shoulder injuries among young baseball players: An eight years longitudinal study.12th Biennial ISAKOS Congress 2019(Cancun, Mexico) 2019.5.12-26.

若手医師の声

四方 巽(2020年京都府立医科大学卒業)

専攻医1年目の四方巽と申します。2年間の初期研修を終え、令和4年4月から整形外科学教室に入局し、大学病院で3ヵ月の後期研修を行った後、7月から京都中部総合医療センターに赴任いたしました。

整形外科の魅力の一つは、運動器の機能を改善することができる点であると思います。患者様の行動範囲を広げてADLを上げる、その方が過ごす残りの人生のQOLを上げる。そのような整形外科医になることを夢見て、日々の診療に取り組んでいます。

大学病院から市中病院へ異動となり、いちばんの変化は、自分が執刀医となり主治医となって患者様を担当するようになったことです。骨折のためにベッド上でわずかな動きをするのにも痛みで悶えていた患者様が、術後に「もうこんなに歩けるようになりました。」と、病院の廊下でリハビリをしながら報告して下さったとき、整形外科を選んで本当に良かったと感じました。

知識や経験不足に不安を感じる場面が多く、診断や治療方針について迷い困ってしまうことも多々ありますが、先輩医師の皆さんにいつも助けていただいています。分からないことを尋ねたときにはいつでも優しく教えていただくことができますし、自分が執刀する際、要所で的確な指導や助言を受けながら手術が進んでいくので、正しい方向に向かっているという安心感や自分の技能が上がっていくという充実感を感じることができます。

この文章を見てくださっているのは、専門分野として整形外科を考えてくださっている研修医や学生の方でしょうか。京都府立医科大学整形外科学教室での後期研修は、大学病院はもちろん関連病医院でも、指導体制が整っており、充実した研修生活を送ることができるということが少しでも伝わっていれば幸いです。