関連病院紹介

みどりヶ丘病院

病院の紹介

社会医療法人祐生会みどりヶ丘病院は昭和46年に5科(内科、小児科、外科、整形外科、放射線科)60床で開設されました。その後、数回の増床や増改築、さらに病棟再編を経て現在は病床数329床(一般病床181床、ICU 4床、回復期リハビリテーション103床、地域包括ケア41床)となっています。標榜科目は内科、循環器内科、消化器内科、外科、整形外科、脳神経外科、脳神経内科、小児科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、リウマチ科、放射線科、麻酔科、歯科、歯科口腔外科、皮膚科、泌尿器科です。

"真心の医療と福祉を通じて地域の人々に貢献します"を理念として掲げ、救急医療から在宅医療まで幅広い医療と福祉を地域に対して提供しています。救急医療に関する実績が評価されて、公益性の高い医療を担うための社会医療法人に認定されました。院内の他科医師との関係性は良好で、手術症例の合併症などに関して非常に相談しやすい環境です。

整形外科の特色

当院は救急医療に関する実績によって社会医療法人に認定されているため、救急疾患を24時間体制で受け入れています。したがって通常の施設より多くの救急患者が搬入されてきますが、2次救急指定病院ですので全身状態に問題があるような重症例は多くありません。また、脳外科を始めとして他科の診療体制がしっかりしているので、合併症がある症例でも対応が容易です。

救急が多いため開放骨折や脱臼骨折、骨盤骨折など様々な外傷症例を数多く診ることができます。若手の先生にとっては基本的な診療技術を身につけつつ上級医の指導のもとで数多くの外傷の手術経験を積めることが特徴です。また、スポーツ外傷や慢性疾患の治療にも力を入れています。陸上400mの金丸祐三さんやフィギュアスケートの織田信成さん、本田真凜さん、本田望結さんも高槻出身でアスリートも多く、スポーツ外傷も経験することができます。

高槻は1970年の大阪万博の頃に京都・大阪のベッドタウンとして発展した地域です。この頃に高槻に移住した人々は50余年の歳月を経て今や80〜90代の高齢者となっており、その年代の人口比率が髙いのです。このため、整形外科診療において重要な骨粗鬆症に関連した骨折(脊椎圧迫骨折、上腕骨頚部骨折、橈骨遠位端骨折、大腿骨頚部骨折など)が非常に多く、たくさんの症例を経験することができます。また、同じ理由で脊柱管狭窄症などの脊椎疾患や変形性股関節症、変形性膝関節症などの慢性疾患の症例数も豊富です。

人工股関節全置換術に関しては2021年度における年間症例数は12例でしたが、診療スタッフの交代もあり2022年度は5〜7月の3ヵ月だけで20例に増えました。ただしcovid-19第7波の影響で8月の予定手術はすべて中止となりました...。

院内に立派なリハビリテーション科(医師5名)がありますが、その他に整形外科の中だけでもリハビリテーション医学会指導医が2名、専門医が2名在籍しています。従って、リハビリテーション医学の同時研修も可能で、将来のリハ専門医取得(めちゃくちゃ役に立つ資格です!)を目指して整形外科との両立を目指すことができます。

脊椎脊髄外科センターの特徴、取り組み

2012年1月に脊椎脊髄外科センターを設立して以来、脊椎脊髄外科指導医2~3名が常に在籍し、国内トップレベルの医療を目指して診療を続けています。

顕微鏡や内視鏡による除圧術や背部や側腹部から小さな切開を加えて行う固定術などの脊椎最小侵襲手術を多く行っています。また高齢化社会に伴って増加している骨粗鬆症性椎体骨折に対して薬物療法にBKP(経皮的椎体形成術:Ballon Kyphoplasty)を併用して良好な成績をあげています。また、腰椎椎間板ヘルニアに対しては椎間板内酵素注入療法(ヘルニコアを用いた化学的髄核融解術)を慎重な適応判断のもとに行っています。脊椎外科の手術症例数は2015年から2021年までで1200例を超え、近年は低侵襲手術の割合が顕著に増加しています。

身体に負担の少ない手術を行うことで早期に社会復帰することができますが、退院後の日常生活に不安がある場合は入院を継続したまま回復期リハビリテーション病棟で術後リハビリテーションを受けてもらうことも可能です。当センターではリハビリテーション医療にも力を注いでおり、体操療法として関西で初めてマッケンジー法を取り入れています。

センター開設から10年が経ちますが、これまで積極的に近隣の医療機関との連携を深めてきました。大阪の北摂地域において、脊椎脊髄疾患なら当センターに紹介しようと思われるように、安心・安全で信頼性の高い手術を心がけています。

診療・指導体制

藤岡 幹浩
役職 副院長、整形外科部長
卒年、卒業大学 昭和63年 京都府立医科大学卒業
専門領域 股関節外科、リハビリテーション
資格 京都府立医科大学大学院医学研究科 運動器機能再生外科学 臨床教授
京都府立医科大学大学院医学研究科 リハビリテーション医学 臨床教授
日本整形外科学会専門医
日本股関節学会 評議員
日本リハビリテーション医学会認定臨床医
日本リハビリテーション医学会専門医
日本リハビリテーション医学会指導医
京都府リハビリテーション教育センター運営委員
大型自動二輪免許
一級小型船舶操縦免許
二級海上特殊無線技士
三級アマチュア無線技士
遊漁船業務主任者免許
趣味、特技 大物の海釣り(standing fightでのマグロ、クエ、カンパチ、ヒラマサなど)、ロックバンド(ドラマー)
長谷 斉
役職 脊椎脊髄外科名誉センター長、整形外科非常勤
卒年、卒業大学 昭和50年 京都府立医科大学卒業
専門領域 脊椎外科、リハビリテーション
資格 日本整形外科学会専門医
日本脊椎脊髄病学会指導医
日本リハビリテーション医学会専門医
日本リハビリテーション医学会指導医
趣味、特技 山歩き、散策、食べ歩き
杉谷 和哉
役職 副部長
卒年、卒業大学 平成13年 京都府立医科大学
専門領域 膝関節外科
資格 日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医
日本整形外科学会認定リウマチ医
日本整形外科学会認定スポーツ医
日本リハビリテーション医学会専門医
日本骨粗鬆症学会認定医
日本人工関節学会認定医
趣味、特技 釣り、旅行
小池 宏典
役職 脊椎脊髄外科センター センター長
卒年、卒業大学 平成17年 大阪医科薬科大学卒
専門領域 脊椎脊髄外科
資格 日本整形外科学会整形外科専門医
日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医
日本脊椎脊髄病学会認定脊椎脊髄外科指導医
脊椎脊髄外科専門医
日本骨粗鬆症学会認定医
BKPトレーナー
趣味、特技 読書
竹中 孝
役職 医長
卒年、卒業大学 平成15年卒 近畿大学
専門領域 足の外科、スポーツ、外傷全般
資格 日本整形外科学会専門医・指導医
ロコモアドバイスドクター
趣味、特技 子育て、ゴルフ、バスケットボール、スポーツ観戦
池上 徹
役職 医員
卒年、卒業大学 平成21年 関西医科大
専門領域 股関節外科、整形外科全般
資格 日本整形外科学会専門医
日本リハビリテーション医学会専門医
趣味、特技 テニス、サッカー、スキー
出射 千裕
役職 医員
卒年、卒業大学 平成27年 香川大学
専門領域 整形外科全般
資格 日本整形外科学会専門医
趣味、特技 読書、テニス

週間業務スケジュール表

 
午前 藤岡/股
長谷/脊椎
竹中
竹中
池上
出射
小池/脊椎
池上
出射
長谷/脊椎
杉谷
非常勤医
非常勤医 非常勤医/リウマチ
非常勤医/肩
非常勤医/一般外来
午後 藤岡/股 藤岡/股
竹中/足
池上
小池/脊椎 杉谷/膝
診療・指導体制の概要
  1. 月曜から金曜日まで毎日手術を行っています。麻酔科と手術室の協力体制は良好です。外来は基本的に週2回で新患外来と再診外来があり、それ以外の曜日が各医師の手術日となります。
  2. カンファレンスは週2回、月曜日と金曜日の朝8時から行っており、手術室看護師、病棟看護師に加えてリハビリテーションスタッフも参加して術前後の検討を行い、情報を共有しています。
  3. 週休2日で、基本的には土日が休みです(応相談)。
  4. 当直は月間で平日2回と週末1回程度です。また月に1回程度、土曜日の日勤出番があります。
  5. 救急が多いため、整形外科当直不在で外科医が当直しているときは月1回程度オンコールがありますが、手当てがつきます。また、別に内科と脳外科の当直医がおり、常に3名当直体制です。
  6. 当直翌日の勤務は午前中だけです。
  7. 学会発表を積極的に行っており、学会参加費や交通費などは病院から支給されます。
  8. 有給休暇はしっかり使い切る方針で、働き方改革を見据えてより良いワークライフバランス獲得を目指しています。夏季休暇は1週間連続で取得でき、各人の日程を調整しながらバランスよく休めるようにしています(もちろん冬期休暇も!)。

当科の主な手術内容(特色)と件数

  1. 外傷(骨折/脱臼)手術  
    2019年/331例  2020年/246例  2021年/323例
  2. 脊椎・脊髄手術  
    2019年/165例  2020年/132例  2021年/168例
  3. 膝関連手術(人工膝関節全置換術、骨切り術、前十字靱帯再建術など)
    2019年/38例  2020年/14例  2021年/25例
  4. 人工股関節全置換術  
    2019年/17例  2020年/14例  2021年/12例
  5. 足関連手術(アキレス腱、外脛骨障害、外反母趾など)
    2019年/10例  2020年/9例  2021年/10例
  6. 年間症例数
    2019年/728例  2020年/501例  2021年/609例

主な業績

〔原著論文〕・〔解説〕

2021年

  1. 両臀部に広範囲の膿貯留、筋壊死を認めた非クロストリジウム性ガス壊疽の1例
    出射千裕 中部整災誌 64(6):757-758,2021.
  2. 人工股関節全置換術後反復性脱臼に対して温存したメタルカップ内にポリエチレンソケットをセメント固定した1例
    池上 徹 日本人工関節学会誌 51:451-452,2021.
  3. 当院における膝蓋骨下極骨折の術後成績 術後膝蓋骨の位置の変化
    竹中 孝 骨折 43(4):1010-1013,2021.
  4. 筋膜切開後のshoelace sutureに局所陰圧療法を併用した前腕コンパートメント症候群の1例
    竹中 孝 中部整災誌 64(3):375-376,2021.
  5. 膝関節拘縮に対して早期に関節鏡視下関節授動術を施行した2例
    杉谷和哉 JOSKAS 46(2):432-433,2021.

2020年

  1. Can a relatively large spinal cord for the dural sac influence severity of paralysis in elderly patients with cervical spinal cord injury caused by minor trauma?
    Koike H Medicine(Baltimore) 26;99(26):e20929
  2. 高齢者の陳旧性アキレス腱断裂に対して瘢痕組織を用いて修復術を行った1例
    竹中 孝 中部整災誌 63(5):759-760,2020.
  3. Spitzy変法の術後成績
    池上 徹 Hip Joint 46(1):606-610,2020.
  4. 大腿骨転子部骨折に対するInterTAN middle nailの術後成績
    岩井宏之 骨折 42(2):544-547,2020.
  5. 初診時に長母指伸筋腱断裂を合併していた転位を伴った橈骨遠位端骨折の2例
    竹中 孝 骨折 42(1):28-31,2020.
  6. 関節鏡視下pull-out法と仰臥位Burksアプローチを併用した前十字靭帯付着部骨折を伴った脛骨近位端骨折の2例
    杉谷和哉 JOSKAS 45(1):248-249,2020.

2019年

  1. 観血的に整復を要した小指基節骨骨端線損傷術後に自動屈曲障害を呈した1例
    竹中 孝 中部整災誌 62(2):285-286,2019.
  2. Cerclage wiring後に偽関節に陥った上腕骨遠位骨幹部骨折の1例
    竹中 孝 骨折 41(2):383-386,2019.
  3. 続発性骨粗鬆症の若年者に生じた大腿骨骨幹部骨折に対して一期的にaugmentation     plateを併用した1例
    竹中 孝 骨折 41(1):168-171,2019.

2018年

  1. 上腕骨近位端骨折術後に肺血栓塞栓症をきたした1例
    池上 徹 中部整災誌 61(6):1339-1340,2018.
  2. 〔最小侵襲脊椎安定術MIStの最前線〕MISt手技における新技術 指電極・側臥位PPS・仮想現実(VR)(解説)
    成田 渉 整外最小侵襲術誌 87:96-101,2018.

2017年

  1. ピタバスタチンカルシウム水和物投与を行った家兎ステロイド性骨壊死モデルの大腿骨内血行動態の評価(解説)
    池上 徹 整形外科 68(3):250,2017.
  2. 当院における乳児股関節超音波検診の現状
    山田尚武 日小整会誌 26(2):312-316,2017.
  3. スポーツ医学 ゴルフスイングにより生じた女性の第7頸椎~第2胸椎棘突起骨折
    木戸健介 整形外科 68(11):1204-1206,2017.
  4. 踵骨アキレス腱付着部骨折に対してSpeedbridgeを用いて固定した2例
    竹中 孝 骨折 39(2):429-432,2017.

若手医師の声

出射 千裕(平成27年 香川大学卒)

当院は高槻の地域医療を担う二次救急病院で救急受け入れも積極的に行っています。そのため特に外傷疾患は様々な症例を経験できます。整形外科はまとまりと活気があり指導医はそれぞれの専門分野のみならず外傷治療にも精通しているため週2回のカンファレンスではどの症例でも知識のアップデートができます。

当院には脊椎センターがあり脊椎疾患の症例も豊富です。外来や救急で診た方をそのまま手術から術後管理、リハビリテーションまで関わることもできます。

また整形外科医全員がしっかり仕事をして、しっかり休息をとること、プライベートの時間を作ることをモットーに特に当直明けの日には昼以降帰れるように全員で仕事を分担し協力して治療にあたっています。

私自身現在0歳時の母親であり当院で産前産後休暇および育児休暇を取得し2022年7月から臨床に復帰しています。

妊娠中はX線写真透視を使う手技や手術を避けられるように配慮していただき臨床経験を積むことができました。悪阻もひどくハッピーマタニティライフとは縁遠かったのですが、みどりヶ丘病院のほかの先生方の手厚いサポートもありなんとか最後まで働くことができました。復帰前はいろいろと不安に思うこともありましたが戻ってみると温かくサポートしてくださる先生方と家族の協力のもとギリギリのところではありますがなんとか両立できていると感じています。復帰後、特に困るのが子供の急な発熱です。子供がまだ小さく1か月に1回程度は熱を出してしまいますが心が広く、なんとでもしてくれる心強い上司に恵まれ急な休みもカバーしてもらっています。また保育園のお迎えに間に合うよう先生方のみならず母の先輩であるコメディカルの皆さんにも気にかけていただきとても働きやすい環境です。

整形外科の臨床は大きく分けると外傷などの救急医療と慢性疾患に対する脊椎外科手術や関節外科手術などの2本立てです。救急は待ったなしですが、慢性疾患の治療、特に関節外科では「手術予定」が成立します。従って、自分の専門領域をどこに設定するか、にもよりますが他科よりは比較的休暇の予定を立てやすい、ということが言えると感じています。

私より下の代には毎年女性が整形外科に入局しています。家庭の状況は人それぞれでありますが家族のみならず職場の方々の手助けが必ず必要です。今後の女性整形外科医がキャリアを築いていくにあたってこんな人がいたなと希望を持てる存在になることができれば、と思っています。

みどりヶ丘病院海釣り部

整形外科には海釣り部があり、マグロやクエ、ヒラマサやカンパチなど大物の釣り方や捌き方が学べます。