関連病院紹介

市立福知山市民病院

病院の紹介

市立福知山市民病院の前身は明治31年に開設された陸軍衛戌病院に遡ります。昭和20年厚生省に移管され、国立福知山病院と改称、さらに、平成5年に福知山市に経営移譲され市立福知山市民病院となり、現在に至っています。平成18年にヘリポートを備えた7階建て新病院が建設されました。平成24年には地域救命救急センターに指定され、平成26年には救命救急棟が完成しました。救急患者取扱件数は年間18000件程度、救急車搬入数は2700件程度となっており、整形外科関連では重度の交通外傷や労働災害の受傷者も受け入れています。現在診療科は27科、総医師数は研修医12名を含めて97名(令和3年4月1日現在)、総病床数354床(内、救命救急12、感染、結核10、NICU、LDR6)で運用しています。その他、当院は地域がん診療拠点病院、中丹地域リハビリテーション支援センターにも指定されており、今年1月からはさらに地域医療支援病院にも指定されました。また、当院は管理型研修指定病院であり、京都府立医大からのたすきがけの研修医も含めて、10名前後の研修医が在籍し、研修医教育にも力を入れています。

平成27年には国民健康保険新大江病院が当院の分院となり、大江分院として開院しました、現在、地域包括ケア病床24床、療養28床で運用しています。大江地区の地域医療の中心として訪問診療も行っており、総合内科の家庭医としての研修や当院の後方病院と診しての役割も担っています。

当院は大江分院も含めて、中丹地域の基幹病院として十分機能できるよう、本院、分院一体となった運用を行っています。

整形外科の特色

整形外科は長い間、鳥取大学から医師が派遣されておりましたが、研修医制度改革の影響もあり、しだいに医師の派遣が困難になったため、平成21年から府立医大からの派遣が行われるようになりました。現在は非常勤の奥田先生も含めて6人体制で診療にあたっています。令和3年の総手術件数は901件、新患数は1478名、一日平均の外来患者数は90.1名、入院患者数37.8名でした。地域の特性から高齢者の外傷が多いですが、当院ではスポーツ外傷や膝関節、肩関節の手術、治療にとくに力を入れています。人工膝関節ロボット手術機械(ROSA)が本年1月に導入され、人工関節置換術の症例も増えてきています。外傷を中心に、若い先生にもどんどん手術し、十分経験を積んで頂ける病院と考えています。

診療・指導体制

中村 紳一郎
役職 副院長兼医長
卒年、卒業大学 S57京都府立医大卒
専門領域 骨・軟部腫瘍、関節リウマチ
資格 日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会認定スポーツ医
日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医
日本医師会認定健康スポーツ医
日本リウマチ学会専門医
日本リハビリテーション医学会専門医、指導医
趣味、特技 山歩き、読書
金村 斉
役職 医長
卒年、卒業大学 H13京都府立医大卒
専門領域 膝関節、スポーツ
資格 日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会認定スポーツ医 
日本体育協会公認スポーツドクター
日本医師会認定健康スポーツ医
日本体育協会公認アスレチックトレーナー
日本関節鏡・膝・スポーツ学会関節鏡技術認定医
日本関節鏡・膝・スポーツ学会評議員
日本リハビリテーション医学会専門医
日本障がい者スポーツ協会公認スポーツ医
日本登山医学会認定山岳医(国内)
京都府国対選手団帯同ドクター
関西・京都府ラグビー協会医務委員
ラグビー高校日本代表帯同ドクター(2015-2017)
京都産業大学アメリカンフットボールチームドクター
なでしこリーグ伊賀くのいちチームドクター
趣味、特技 トレーニング→温泉→ビール
佐々木 健太朗
役職 副医長 
卒年、卒業大学 H15京都府立医大卒
専門領域 肩関節
資格 日本整形外科学会専門医
リバース型人工肩関節認定医
趣味、特技 トレーニング
勝山 祐誠
役職 医師
卒年、卒業大学 H26京都府立医大卒
専門領域 骨・軟部腫瘍、外傷 
資格 日本整形外科学会認定医  
趣味、特技 スノーボード
滝本 晴生
役職 医師
卒年、卒業大学 H29京都府立医大卒
専門領域 外傷
趣味、特技 ドラム
奥田 良樹
役職 リハビリセンター長
卒年、卒業大学 S53京都府立医大卒
専門領域 手外科
資格 日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会認定リウマチ医
日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医
日本リハビリテーション医学会専門医、指導医
日本手外科学会専門医、指導医
趣味、特技 日本手外科学会専門医、指導医

週間業務スケジュール表

外来診療は月~金まで3診、手術は月~金ほぼ毎日、休日も緊急手術に対応しています。
科内のカンファレンス週3回、リハビリとの合同カンファランスを月2回おこなっています。

  外来 手術 科内カンファ(朝) リハとの
合同カンファ(夕)
勝山、 奥田、金村 佐々木、滝本、奥田、中村  
佐々木、奥田、滝本 金村、勝山、奥田、中村    
佐々木、中村、金村 勝山、滝本、奥田、中村 〇(月2回)
勝山、 中村、金村 佐々木、滝本、金村    
交代制、中村、滝本 金村、佐々木、勝山   
診療・指導体制の概要

当直は外科系当直(日直):月2~3回、オンコール:週1~2回
年休20日、夏季休暇5日

手術は基本的には初診医が主治医となり執刀、症例に応じて上級医が手術介助にはいります。
週3回、手術症例を中心に科内での症例検討を行っており、月2回はリハビリとの合同カンファレンスを行っています。コロナ禍で最近ちょっと低迷していますが、学会発表や論文作成も積極的に推奨しており、内容に応じて、当院の上級医や大学のスタッフとも連携し、指導します。

研究費(学会会場費、交通費、学会年会費、書籍費等に使用可能)は年間50万円まで補助あり。
働き方改革に関してはまだ不十分ですが、事務職員の配置による外来等の事務作業の効率化、軽減、また、手術に関しては、予定手術はなるべく日勤時間帯に終了するよう、麻酔科や手術室スタッフと調整を行っています。
定期的に院内で手術研修を実施しています。ブタ膝を用いた関節鏡トレーニングを半年に1回ほど行い、若手の先生の育成および手術手技向上をはかっています。

専門領域外の症例は、大学病院はもちろんのこと北部の他の病院(綾部、舞鶴、北部医療センター)と連携して治療にあたっています。
北部地域は美食も揃っており、福知山は焼肉・鴨鍋、舞鶴は蟹、宮津はぶりしゃぶ、綾部は猪鍋が有名でコロナ前は定期的に集まって親睦を深めておりました。

当科の主な手術内容(特色)と件数

外傷骨折手術、前十字靭帯再建術、半月板縫合術、人工膝関節置換術(ROSA使用)、肩腱板修復術、肩関節形成術などの手術件数がとくに多くなっています。

令和3年手術件数(R3.1.1~12.31)

  1. 大腿骨近位部骨接合術 100例
  2. 大腿骨人工骨頭置換術 63
  3. その他骨折手術 200
  4. 人工膝関節置換術 87
  5. 人工股関節置換術 33
  6. 人工肩関節置換術 6
  7. 膝前十字靭帯再建術 24
  8. 半月板縫合術 20
  9. その他膝鏡視下手術 7
  10. 腱板修復手術 64
  11. 肩関節形成術 9
  12. 手外科手術(腱鞘切開除く) 51
  13. 悪性骨軟部腫瘍手術 7

主な業績(2019年以降)

論文(当時の当院在籍者分含む)
  1. 髙辻謙太、森原徹、古川龍平、木田圭重, 藤原浩芳、久保俊一:高校生野球選手に発生した肩甲骨関節窩離断性骨軟骨炎の1例、日本整形外科スポーツ医学会雑誌 39(2)、38-42、2019.5
  2. 山口佑太、上田みどり、齊藤麻希、東前京子、青山弘美、小牧稔之、井上悟志、中村紳一郎:当院回復期病棟における転倒症例の検討、市立福知山市民病院医学雑誌 4、19-24、2019.7
  3. 高辻謙太、佐々木健太朗、金村斉、中村紳一郎、永田昭博:中指基節骨骨肉腫を合併したWerner症候群の1例、市立福知山市民病院医学雑誌 4、31-35、2019.7
  4. 田中智哉、藪内潤一、金村斉、中村紳一郎:左膝軟骨損傷後に慢性疼痛を呈した症例に対する理学療法、市立福知山市民病院医学雑誌 4、67-72、2019.7
  5. 髙辻謙太, 古川龍平, 木田圭重, 森原徹:鏡視下Bristow-Bankart変法を施行した高校野球投手の1例、肩関節44(1)、39-42、2020.9
  6. 佐々木健太朗、勝山祐誠、高辻謙太、金村斉、中村紳一郎:腱板広範囲断裂に対するDebeyre-Patte変法の治療成績、市立福知山市民病院医学雑誌 5、20-24、2020.7
  7. 井上悟志、山口佑太、齊藤麻希、上田みどり、東前京子、蘆田里美、中村紳一郎:当院急性期病棟における転倒症例の検討、市立福知山市民病院医学雑誌 5、31-36、2020.7
  8. 勝山祐誠、奥田良樹、金村斉、佐々木健太朗、高辻謙太、中村紳一郎:高齢者の上腕骨遠位端骨折に対して人工肘関節置換術を施行した1例、市立福知山市民病院医学雑誌 6、38-41、2021.7
学会発表
  1. 勝山祐誠、奥田良樹、金村斉、佐々木健太朗、高辻謙太、中村紳一郎:高齢者の上腕骨遠位端骨折に対して一期的に人工肘関節置換術を施行した1例、第133回中部日本整災外科学会、神戸、2019.9.21
  2. 井上悟志、中村紳一郎、深田良一、足垣亮介、柴田秀稔、大町泰貴、芦田里美、山田真紀、上田みどり、齊藤麻希、山口佑太、久代郁子、森垣知美、東前京子:当院急性期病棟における転倒事例の検討、第6回日本転倒予防学会学術集会、新潟、2019.10.6
  3. 齊藤麻希、中村紳一郎、深田良一、足垣亮介、柴田秀稔、井上悟志、大町泰貴、芦田里美、山田真紀、上田みどり、山口佑太、森垣知美、東前京子:回復期リハビリテーション病棟での複数回転倒症例の検討および環境シートを活用したカンファレンスの試み、第6回日本転倒予防学会学術集会、新潟、2019.10.6
  4. 髙辻謙太, 古川龍平, 木田圭重, 森原徹:鏡視下Bristow-Bankart変法を施行した高校野球投手の1例、第46回日本肩関節学会、長野、2019.10.25
  5. 金村斉、勝山祐誠、高辻謙太、佐々木健太朗、中村紳一郎:当院を受診したキンボール障害・外傷の検討、第30回日本臨床スポーツ医学会学術集会、横浜、2019.11.17
  6. 中村紳一郎、田辺理世、足立宣子、藤田亨、橋本みゆき、平山淳子、高松満里、香川惠造、曽我香織、斎藤恵一:当院で施行したPXサーベイの結果と課題、第17回日本医療マネジメント学会京滋支部学術集会、京都、2020.2.15
  7. 中村紳一郎、平山淳子、髙松満里、香川惠造、曽我香織:当院で施行したPXサーベイの回答方法の検討、第22回日本医療マネジメント学会学術集会、京都、2020.10.7
  8. 深田良一、蘆田里美、青山弘美、中村紳一郎:コ・メディカルのダブルチェックアンケート結果に対する考察、第22回日本医療マネジメント学会学術集会、京都、2020.10.6
  9. 山本千明、恋水諄源、山本真世、中村紳一郎:当院における倫理コンサルテーションチームの活動に関する考察、第22回日本医療マネジメント学会学術集会 京都、2020.10.6
  10. 金村斉、高辻謙太、中村紳一郎:当院におけるSPEED TRAPを使用したACL再建術の治療成績、JOSKAS-JOSSM2020、神戸、2020.12.17-19
  11. 髙辻謙太,木田圭重,金村斉,中村紳一郎:当院における上腕骨小頭離断性骨軟骨炎の手術成績、JOSKAS-JOSSM2020、神戸、2020.12.17-19
  12. 田中智哉、金村斉、藪内潤一、田中宏典、高辻謙太、中村紳一郎:膝の慢性疼痛に認知行動療法を施行した1例、JOSKAS-JOSSM2020、神戸、2020.12.17-19
  13. 金村斉、高辻謙太、中村紳一郎:健側膝MR画像を参考に施行したACL再建術の臨床成績、JOSKAS/JOSSM meeting2021、札幌(オンライン)、2021.6.18-19
  14. 勝山祐誠、奥田良樹、金村斉、佐々木健太朗、滝本晴生、中村紳一郎:小児上腕骨内側顆骨折の1例 第137回中部整形外科災害外科学会、金沢(オンライン)、2021.10.8-9
  15. 柴田秀稔、井上悟志、田中智哉、上田みどり、平山淳子、佐藤清仁、齊藤麻希、大町泰貴、蘆田里美、東前京子、山口佑太、久代郁子、深田良一、小牧稔之、中村紳一郎:当院回復期リハビリテーション病棟における入棟時FIMと転倒の関係、第8回日本転倒予防学会学術集会、名古屋(オンライン)、2021.10.24
  16. 金村斉:前十字靭帯再建術後に競技復帰したインディアカ外傷の2例、第32回日本臨床スポーツ医学会学術集会、東京(オンライン)、2021.11.13-14

若手医師の声

滝本晴生(H29年、京都府立医大卒)

私は2017年に京都府立医科大学を卒業した後、京都第二赤十字病院で2年間の卒後臨床研修を行い2019年4月に京都府立医科大学整形外科に入局しました。その後付属病院、京都第二赤十字病院と勤務し現在は市立福知山市民病院で働かせていただいております。福知山市は京都府の北西部に位置しており、人口は約8万人です。京都市内から車か電車で1時間半程度、市中心部では都市機能が集約されている一方で、車で10分ほどの郊外では自然環境の豊かな田園風景が広がります。大学生活から考えると10年程度京都市内に居住しておりましたが、福知山市は都会暮らし田舎暮らしの両方が楽しめる街であると感じます。

当院は舞鶴若狭自動車道・国道9号線を主とする幹線道路で生じた交通外傷や、近隣からのドクターヘリの受け入れ病院として北近畿の重症外傷が集まりやすく、若手整形外科医として外傷を勉強させていただいている身としては日々多様な症例に触れる機会があり刺激に満ちております。また慢性疾患に対してもそれぞれの分野のエキスパートの先生方から熱い指導の下、診療に当たらせていただいております。京都市内から考えるとADLが保たれている90歳代の割合が非常に高く、高齢者の骨折治療に対しても社会復帰を見据えた治療プランを様々に考慮しながら奮闘する毎日です。

週2回の外来の時間以外はほとんどを執刀医、また助手として手術室で過ごしており、担当させていただける症例数もかなり多く自己の成長を実感出来る環境としてこの上ないと考えます。