松下記念病院
病院の紹介
松下記念病院は1940年、パナソニックの前身である松下電器の松下幸之助創業者が設立した病院です。大阪府守口市にあり大阪市の隣に位置しています。
当院は大学病院や医療センターのような大規模病院とは異なり、323床と中規模病院ですが、周辺に市民病院がないこともあり地域に頼りにされる急性期基幹病院として一般診療から高度先進医療までを担っています。救急医療や専門医療など、患者さんが求める医療を提供し、地域社会へ貢献することが使命です。研修の基本理念は「医師の教育と同時に、人として育てる」ことで、職員、患者さんと良好なコミュニケーションを作ることができる人材育成を重視しています。
近年話題となっている働き方改革にも積極的に取り組み、職員が働きがいのある、働きやすい環境作りを院内全体で取り組んでいます。他診療科との垣根は低く、診療、学習しやすい環境となっています。
当院での整形外科の役割は地域住民の運動器疾患に対応すべく、救急外傷、慢性疾患(関節、脊椎疾患、関節リウマチ、骨粗鬆症など)全般に対応しています。研修医や専攻医の先生方は基本的な整形外科疾患を経験できます。また、大学やがんセンターと同様に骨・軟部腫瘍や骨転移患者さんへの対応も行っていることは通常の一般病院とは異なります。
研修医の先生方の中には京都府立医科大学のたすきがけ協力病院である当院で1年研修される先生も多くいます。研修医の先生は選択科目として整形外科を2年時だけでなく、1年時でも選ぶことができる制度も作っています。
学生様の見学も随時受けつけております。京都府立医科大学クリニカルクラークシップIIで当院を選択することも可能です。
松下記念病院公式ホームページ

整形外科の特色
当院は二次救急病院ですが時には開放骨折などの高度外傷例にも対応しています。救急搬入された骨折などは専攻医の先生が主治医となることが多く、様々な症例を経験できます。上級医の先生からは的確な治療方針と丁寧な手術指導を受けることができ、しっかりと効率よく執刀・手術経験が積めるようにしています。
また、地域の先生方から膝や股関節などの変形性関節症の患者も多く紹介されます。一律に全人工関節置換術だけで対応するのではなく、患者さんの年齢や状況に応じて人工関節置換術や骨切り術など様々な術式を選択し治療を行っています。人工関節手術では、術前計画は3Dソフト、術中はナビゲーションを使用し、正確な手術を心がけています。
整形外科は手術治療だけをするかのように思われがちですが、外来での診療も重要です。関節リウマチや骨粗鬆症などの患者も多く、それぞれ専門医が対応できる体制にあります。また、症例によっては膠原病内科や他科とも連携しながら診療をしています。さらに、一般病院では通常対応しない骨・軟部腫瘍にも対応し、手術や化学療法も行っています。また、大阪府がん診療拠点病院であるため、骨転移患者さんも多く、診断・治療を十分学ぶことができます。
当院の整形外科研修の特長は、一般診療はもちろんのこと、各々専門性を持った上級医の指導を受けながら、幅広い分野を経験できることです。主治医となった手術症例に関しては基本執刀医として対応しています。休日や夜間などの対応は上級医の先生を含めお互いにカバーしあい、休息をとるようにしています。逆に臨時手術など対応しなければいけない時には応援できる体制はできています。人数は決して多くはありませんが気軽に話ができ、アットホームな雰囲気で仕事ができる環境にあることも当院の特長です。
診療・指導体制
村田 博昭
役職 |
病院長、整形外科部長 |
卒年、卒業大学 |
1991(H.3)京都府立医科大学卒業 |
専門領域 |
骨・軟部腫瘍、骨粗鬆症 |
資格 |
・日本専門医機構認定整形外科専門医
・日本がん治療認定医機構がん治療認定医
・日本骨粗鬆症学会認定医
・日本整形外科学会骨・軟部腫瘍医認定医
・日本整形外科学会脊椎脊髄病医認定医
・日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医
・京都府立医科大学整形外科臨床教授
・骨軟部肉腫治療研究会幹事
・日本サルコーマ治療研究学会評議員
・日本医療マネジメント学会評議員
・中部日本整形外科災害外科学会評議員 |
趣味、特技 |
スポーツ観戦、アイスクリーム好き |
西垣 泰典
役職 |
関節外科部長 |
卒年、卒業大学 |
1998(H.10)秋田大学卒業 |
専門領域 |
人工関節(膝関節・股関節)、外傷(骨折) |
資格 |
・日本専門医機構認定整形外科専門医
・日本整形外科学会リウマチ認定医 |
趣味、特技 |
サッカー、スキー |
木戸 健介
役職 |
リウマチ外科部長 |
卒年、卒業大学 |
1998(H.10)京都府立医科大学卒業 |
専門領域 |
股関節、関節リウマチ |
資格 |
・日本専門医機構認定整形外科専門医
・日本リウマチ学会専門医
・日本リハビリテーション医学会認定臨床医、専門医、指導医
・日本整形外科学会認定スポーツ医
・日本整形外科学会認定リウマチ医
・日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医
・日本人工関節学会認定医 |
趣味、特技 |
スノーボード(パウダー急斜面希望)、カレー・ビリヤニ屋さん巡り |
中山 雄介
役職 |
医長 |
卒年、卒業大学 |
2009(H.21) 金沢医科大学卒業 |
専門領域 |
膝関節、外傷 |
資格 |
・日本整形外科学会整形外科専門医
・日本体育協会公認スポーツドクター
|
趣味、特技 |
サッカー・スキー |
平田 壮史
役職 |
医員 |
卒年、卒業大学 |
2016(H.28)福井大学卒業 |
専門領域 |
整形外科一般、外傷など |
趣味、特技 |
ラグビー |
白井 衿帆
役職 |
専攻医 |
卒年、卒業大学 |
2018(H.30)関西医科大学卒業 |
専門領域 |
整形外科一般、外傷など |
趣味、特技 |
バイオリン |
週間業務スケジュール表
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1診 |
2診 |
3診
(初診) |
4診
(初・再診) |
月 |
西垣
(関節外科) |
中山
(午後・関節外科) |
村田
(初診・骨粗鬆症) |
平田 |
火 |
村田 |
木戸
(関節外科) |
中山 |
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水 |
手術 |
手術 |
手術 |
手術 |
木 |
村田
(骨軟部腫瘍・予約のみ) |
木戸 |
西垣 |
白井 |
金 |
(第2・4)
中山
(第3)
村田
(骨粗鬆症リエゾン外来)
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木戸 |
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診療・指導体制の概要
手術:木曜日以外は定期手術(水曜は2列)あり、骨折など臨時手術も麻酔科、手術室対応可能
多職種カンファレンス(診断、術式、後療法など議論、情報共有):火曜、木曜日(8:30-9:00)
病棟回診:木曜日(14:00-15:00)
当直:平日1回、休日1回/月or平日3回/月
オンコール:整形外科が当直でない日(全員で割振り)
抄読会(最近の知見について科全体で学習):1-2回/月 月曜日(8:30-9:00)
休暇:有給+夏季・特別休暇(医師間で調整しながら取得)
学会補助:2回(学会費+宿泊交通費)、2回(日帰り交通費のみ)。発表は左記とは別に支給あり
論文作成、学会発表:随時
主な疾患の治療方針と特色
人工関節手術
・術前に3D テンプレートによるシミュレーションを行い(下図)、術中はナビゲーション法を用いて正確なインプラント設置を施行

変形性膝関節症
・人工膝関節全置換術(TKA)、人工膝関節単顆置換術(UKA)、高位脛骨骨切術(HTO)などの膝周囲骨切り術(AKO)を症例にあわせて選択
変形性股関節症
・人工股関節全置換術(THA)は早期の機能回復が早く脱臼しにくい前方アプローチ(direct anterior approach)で施行
骨・軟部腫瘍/転移性骨腫瘍(骨転移)
・悪性腫瘍は手術療法、化学療法、放射線療法の集学的治療の対応が可能
・転移性骨腫瘍にも積極的に手術対応、骨転移チームで骨折や麻痺のリスク管理
外傷
・大腿骨近位部骨折は48時間以内の早期手術、ADLの早期回復を目指す
・人工大腿骨頭置換術は脱臼しにくいCPP(conjoint tendon preserving posterior)アプローチで施行
・創外固定などを用いた臨時手術などの対応も可能
手根管症候群
・鏡視下手術による外来(日帰り)手術
関節リウマチ
・DMARDs及び生物学的製剤を使用した治療を行い、内科と密な協力体制あり
骨粗鬆症
・骨粗鬆症リエゾンサービスチームを作り、各患者に合わせた治療提供
若手医師の声
平田壮史:2016(H.28)福井大学卒業
松下記念病院では様々な外傷手術を経験します。若手医師は初めて執刀する症例であっても基本とりあげることはなく完遂できるように上級医がサポートしてくれます。また、上級医は新しい手術に対しても関心が高く、良いと思った手術法や器械は導入が早い印象です。教育体制はしっかりしており、刺激を受けることが多くあります。日々のカンファレンスでもしっかり勉強した上で、発言すると意見を尊重してくれることも多いです。若手として学ぶ病院としてはとてもいい病院と考えます。
白井衿帆:2018(H.30)関西医科大学卒業
当院で初期研修後に入局しました。昨年度からまた当院で働くこととなり、研修医の時よりも格段に忙しくなり戸惑うこともありましたが、先生方にご指導いただきながら充実した毎日を送っています。まだ専門は決まっていませんが、専攻医は外傷を担当することが多いので一通り身に着けるために日々精進していく所存です。ご存じの通り整形外科は女性医師が少なく、患者様に驚かれることが多々あります。しかし患者様は女性が多いため、「女医さんで良かった」と言われることも多く需要はありそうです。どうしても術中に力不足を実感することはありますが、そこは助けていただきなんとかなっています。当医局も年々女性が増えており、これからもっと増えることを期待しています。