関連病院紹介

京都大原記念病院

病院の紹介

京都市の北東端にある「大原」は、古くは「愛宕群大原村」と呼ばれていました。1949年に京都市左京区に合併され、現在の地名に至ります。江戸期以前は、若狭湾と平安京(京都)を南北に結ぶ若狭街道(鯖街道)の中継拠点として栄えました。また、比叡山延暦寺に近いことより天台宗寺院が多く建立され、「三千院」「寂光院」などは全国的にも名をはせる古刹として知られています。この「大原」の地に、1981年7月4日、74床の内科病院として開設したのが京都大原記念病院(当時、大原記念病院)です。病院名に「記念」という文字が加えられているのは、無医村であった「大原」における初の医療機関であったことを由来とします。その後、1987年に手術室の増設を施行して203床の総合病院へと変遷していくわけですが、開設当初は入院患者のその殆どが長期療養目的の高齢者で占められていました。1992年整形外科常勤医として三橋が赴任したことにより、人工関節や大腿骨頸部骨折を中心とした整形外科疾患症例が増加し、時を同じくして老人病院からリハビリテーション病院への変革が開始されました。同年に民間では京都初の「リハビリテーション総合承認施設」を取得、2000年には、特定入院料として新たに制度化された「回復期リハビリテーション病棟」の施設基準を京都府滋賀県では初めて取得しました。以降リハビリテーション専門病院として立ち止まることなく邁進しております。また、日本の医療・介護・福祉の現場では、高齢化に伴い年々ニーズが変化・多様化している状況を時代の要請として、京都大原記念病院を核とした在宅医療、施設介護、在宅介護サービスも幅広く展開。医療介護を合わせたグループ全体の総ベッド数が約800床、職員数が約1000人という大所帯にまで至っております。

整形外科の特色

当院は一般病床1病棟(31床)、回復期リハビリテーション病棟4病棟(172床、全て回復期リハビリテーション入院料1)の計203床の病床を有しています。回復期リハビリテーション4病棟は全てリハビリテーション医が病棟専従配置となる体制強化加算の算定を行なっています。整形外科は三橋尚志と大川弘樹の2名で、病棟専従ではなくフリーで活動しています。グループで入院・入所800名、在宅も合わせると4000名程度の高齢者のケアを行なっていることから、グループ内で発生した整形外科疾患は基本的に当院で対応しています。主な手術適応疾患は大腿骨近位部骨折、橈骨遠位端骨折で、受傷後早期に手術的治療を行うように努めています。関節リウマチ患者の入院・手術が多いことも当院の特徴で、人工関節(肘・股・膝。足)置換術、腱移行術、足趾形成術を中心に行なっています。リハビリテーションスタッフがグループ全体で300名、当院には157名のPT、OT、STが在籍しており、関連病院からの術後リハビリテーションも多く引き受けています。365日同じ体制で1日9単位(3時間)の個別リハビリテーションを提供して、早期のADL改善に努めています。関連施設として御所南リハビリテーションクリニック(PT、OT、ST40名)にも多くの関連病院、診療所からご紹介をいただき、集中リハビリテーションを実施しています。

診療・指導体制

当院には三橋尚志、大川弘樹の2名が整形外科専門医・指導医として活動しています。臨床研修病院から地域枠として1ヶ月間の受け入れを行なっており、地域医療における整形外科の役割・実践などを指導しています。

当科の主な手術内容(特色)と件数

当院の手術内容としては大腿骨近位部骨折(年間50例)、人工膝関節全置換術(年間20例)が中心で、その他関節鏡視下手術、骨接合術、関節形成術などを行なっています。

主な業績

2020年度
  1. 三橋尚志:回復期リハビリテーションにもとめられるもの・現状の課題と展望、綜合リハビリテーション、第48巻2号
  2. 三橋尚志:回復期リハ病棟の概念・役割-いままで、これから、リハビリナース、第13巻3号
  3. 三橋尚志:回復期リハビリテーション病棟と地域医療計画、綜合リハビリテーション、第48巻第6号
  4. 三橋尚志:回復期リハビリテーション病棟協会ー回復期リハビリテーション病棟の課題と今後についてー、病院、第79巻第12号
2021年度
  1. 三橋尚志:回復期リハビリテーション病棟、Medical Practice、第38巻
2022年度
  1. 三橋尚志:地域包括ケアと社会制度:京都リハビリテーション医学会会誌、第8巻
  2. 三橋尚志:回復期リハビリテーション医療の歴史と現状、CLINICAL REHABILITATION、第31巻4号

関連病院との連携

「整形外科の特色」でも述べましたが、当院は関連病院である京都近衛リハビリテーション病院と合わせて272床の回復期リハビリテーション病棟を運営しており、関連病院から非常に多くの術後患者(骨折手術、脊椎手術、人工関節置換術など)や保存的治療患者(脊椎圧迫骨折、骨盤骨折など)、さらには脊髄損傷の患者など非常に多くのご紹介をいただいております。関連病院から直接自宅に退院された患者は御所南リハビリテーションクリニックにご紹介いただき、回復期リハビリテーション病棟と同等の集中リハビリテーション(1日最低1時間)を実施しています。御所南リハビリテーションクリニックには三橋が週1回外来診療を行なっており、整形外科からのご紹介を担当しています。整形外科手術では後療法(リハビリテーション)が極めて重要ですが、地域医療構想の中では急性期病院だけで完結することは困難であり、関連病院の後方連携としての役割も大きいと感じています。今後ともよろしくお願いいたします。